全米の建設着工数、セクターごとのばらつきが顕著に

2022年5月時点での米国全体の総建設着工件数は前月比4%増、前年同月6%増と堅調な推移を見せている。実際にはセクターの二分化がより顕著になりだしている。

▼伸びが期待される製造業

2022年4月に比べ、5月に唯一増加したセクターは非住宅建設物で20%増であった。商業、施設、製造業の各分野で幅広く回復しており、今後も上昇傾向が続く見込みだ。特に製造業は、自動車工場の新設や、急成長する電気自動車産業を支える大規模な施設建設が、さらに成長を後押しするとみられる。

▼住宅市場はより慎重に

2022年5月の住宅建設物着工数は4%減少。住宅ローン金利の上昇と、戸建て需要の急速な減少により、建設業者が慎重になり始めている。大きな伸びを見せている多世帯住宅も、コストと金利上昇の影響を受ける可能性が高い。

▼非建設物はインフラ予算投入がカギ

2021年末に成立した、1兆2000億ドル(当時約137兆円)の連邦インフラ投資雇用法による建設着工への波及効果はまだ見られていない。実際にインフラ法の資金を使用してのプロジェクトは早くて今年末から着手される見込みだ。

ソース:Dallas Business Journal