ダラス地域の不動産市場2023年総括(後半)：変化するトレンドと重要な開発プロジェクト

2023年、ダラス・フォートワース地域の不動産市場は、低迷する全米経済の中でも著しい活動を見せ、特に住宅市場の強固な動向が注目されました。住宅ローンコストの急激な上昇にも関わらず、予想を裏切る市場の安定性が目立ちました。前回の記事に続きダラス市場について説明していきます。

この年、北テキサスの不動産市場において、いくつかの重要な動きが見られました。

アーヴィングのラス・コリナス地区が50周年を迎え、フルーア、キンバリー・クラーク、パイオニア・ナチュラル・リソーシズ、マッケソンなどの大手企業が拠点を置く、主要な雇用センターとしての地位を固めました。地区の現在の税額評価額は130億ドルを超え、その発展ぶりが顕著です。

一方、オフィスリーシング市場は大きな挑戦に直面しています。リモートワークの普及がオフィススペースへの需要を減少させ、北テキサスのビルの空室率は約27％に達しました。しかし、空きビルの新たな用途として住宅空間への転換が進行中であり、ダウンタウンの高層ビルが新しいアパートメントへと生まれ変わっています。

また、フリスコではユニバーサル・キッズ・リゾートの開発が進行中です。2026年に開園予定のこの子供向けテーマパークは、2,500エーカーのFields開発の一部で、PGAオブアメリカの本部やゴルフコース、オムニリゾートホテルも含まれています。

さらに、フリスコのウェイド・パーク開発は、着工から10年を経ても進展が見られず、巨大な未完成の穴がそのまま残されています。この複合開発計画は2017年に破綻しましたが、フリスコ市議会は新たな開発計画「ザ・ミックス」を承認し、再開発への希望を持っています。

2023年の11月までの北テキサス住宅の中央価格は前年比わずか2％の減少にとどまり、不動産エージェントによる総販売も7％減少に留まりました。これらの結果は、2024年にダラス・フォートワースが全米で最も優れた住宅市場の一つになると全米不動産業者協会が予測する根拠となっています。

Source: Dallas morning news