ダラス地域の不動産市場2023年総括(前半)：低迷市場に逆行する成長の兆し — Gephyro Consulting (ジェフィロ・コンサルティング)

2023年のダラス・フォートワース地域の不動産市場は、全国的な低迷にも関わらず、多くの大規模な取引が活発に行われました。金利の高騰、売上の低下、商業用不動産の差し押さえ増加など、困難な状況が見られたものの、過去の大恐慌や銀行業界の崩壊時と比較すると、現在の市場状況はそれほど深刻ではありませんでした。

2023年には、ダラス・フォートワース地域でいくつかの大型建設プロジェクトが始動しました。特に注目されたのは、ノックスストリートの高層ビルプロジェクトです。このプロジェクトはMSDパートナーズ、トラメル・クロウ・カンパニー、ザ・リテール・コネクション、ハイランド・パーク・ビレッジ・アソシエイツなどの大手企業により進められ、ダラスで最も高価な開発の一つとなる見込みです。他にも、KDC社のパークサイド・アップタウンタワーやゴールドマン・サックスのアップタウンオフィスキャンパス、ウェルズ・ファーゴの地域オフィスセンターなど、大型金融会社のオフィスプロジェクトが着工されました。

商業不動産売買は60％以上減少しましたが、ダラス・フォートワースは依然として全米で最も商業不動産投資が活発な地域です。アパートの購入では全国をリードし、リチャードソンのステート・ファーム・インシュランスのCityLineキャンパスやダラスのプラザ・オブ・ジ・アメリカスなど、大規模複合開発の売却が年間の合計に貢献しました。

住宅市場に関しては、2023年の前11ヶ月間で、北テキサスの中間住宅販売価格は前年の記録高値からわずか2％減少し、宅地仲介業者による総売上もわずか7％減少に留まりました。これは、北テキサスへの継続的な移住と人口増加が住宅需要を支えているためです。また、住宅ローン金利が最近の高値から後退し、全米不動産業者協会は、ダラス・フォートワースが2024年に全米で最も良い住宅市場の一つになると予測しています。

不動産業界は、2024年に金利の引き下げと地域の雇用・人口増加が期待される中で、市場の反発を期待しています。このような大規模な開発動向と市場の変化は、ダラス・フォートワース地域の不動産市場の今後の成長と活性化を予感させます。

Source: Dallas morning news