繰り返される銃乱射事件、銃規制の改革へつながるのか
/5月24日、テキサス州ユバルディの小学校で、21名が亡くなる銃乱射事件が発生した。銃規制緩和が進むテキサス州だが、この事件を防ぐことはできなかったのだろうか。
▼事件の概要
サンアントニオ西部にあるユバルディのロブ小学校で起きた。児童19人、教師2人が亡くなり、テキサス州の歴史上最も多くの死者を出した学校銃乱射事件となった。犯人は18歳になったばかりの青年で、ライフル二丁をオンラインで合法に購入。犯行当日は祖母を撃った後、小学校を襲い、駆け付けた警察官によって射殺された。この事件はBBCをはじめ、日本でも大きく報道された。
▼知事の対応
アボット知事をはじめとする指導者たちは、今回の事件を受け一部の銃規制を施す姿勢を示している。バイデン米大統領は犠牲者遺族に追悼の意を示すとともに、銃規制の改革を改めて呼びかけた。
▼銃規制の現状
2021年9月施行の新法律により、テキサス住民はトレーニングやライセンス取得なしに銃の保持が許可されている。(テキサス州の新法律:拳銃を隠さずに公共の場で所有可能)
▼繰り返す銃乱射事件
アボット知事率いる共和党は過去に何度も、銃乱射事件直後に銃規制を検討。しかし可決には至らず、逆に規制緩和の流れが続いている。
2018年のサンタフェ高校乱銃射事件後は、危険と思われる人物の銃器を取り上げる「レッドフラッグ法」が検討された。しかし、パトリック副知事と銃所持権運動家の反対により撤回。エルパソのスーパー銃乱射事件後には、銃販売時の身元調査を義務付ける法案が検討されたものの、こちらも可決には至らなかった。
アボット知事はその後「学校と銃器の安全行動計画」を発表。学校警備員の訓練強化やセキュリティ改善といった、銃規制以外の対策を講じた。今回の事件があったロブ小学校も、セキュリティに45万ドル(5700万円)以上を投じ、巡回警備員などを配置していたにもかかわらず、事件発生を防ぐことはできなかった。
ソース:The Texas Tribune (銃規制)、The Texas Tribune (事件詳細)、CNN, ANN youtube
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