カリフォルニア企業の大量脱出を止める5つの方法

10社以上の大手企業、数百社の中小企業、何千人もの個人がここ数年の間にカリフォルニア州、特にベイエリアから脱出している。2021年はさらに移転する企業が増え、特に、高い収税に影響を受けやすく、さらにリモートからも仕事ができるシニアエグゼクティブ、投資家やスキルを持った人たちがカリフォルニア州を去るだろう、とダラス・ビジネス・ジャーナルは報じている。個人所得税や譲渡所得課税がなく、さらに住宅が安く、事業規制が緩いテキサス州が移転先となっている。

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そこで、企業や政府のリーダーたちに、どうやったら企業の脱出を止められるのか、聞いてみた。

1. 個人所得税と譲渡所得税の削減

既に13.3%という全米一の高個人所得税を、16.8%に引き上げることが検討されていて、中流階級や富裕層がゴールデン・ステート(カリフォルニア州)を去る理由になっている。

2. 法人税を引き上げない

法案A B−71は、1月12日に改正され、課税所得が500万ドルを超える企業の所得税率を8.84%から9.6%へ、金融企業の所得税率を10.84%か11.6%へ引き上げるなど、いくつかの主要な増税が盛り込まれた。この法案に対して既に反対の声が上がっている。オラクル社が昨年12月にテキサス州オースチンに移転を発表した際に、カリフォルニア州からの移転でどれくらいの税額が節約できるのか、数々の推論が上がったが、ペンシルバニア州のコンサルティング会社Spectrum Location Solutionsのブラニッチ氏は、「オラクル社に関しては同社の税務課がしか見積もりは出せないだろうが、少なくとも私のクライアントらはテキサス州に移転することで、15%〜30%の課税節約になったと話している」と言う。

3. 事業規制の緩和

事業主らを腹立たせている規制の一つに、2018年に可決されたCalifornia Consumer Privacy Act (カリフォルニア消費者プライバシー法)がある。同法は年間の総売上が2500万ドル以上で、年間5万件以上のカリフォルニア州の消費者のデータを購入、取得、販売していて、カリフォルニア州の消費者データを販売することで売上の50%以上を得ている企業が対象。2019年に司法長官に出された報告書によると、同法遵守にかかる費用として、従業員20人以下の企業で5万ドル、従業員20人〜100人の企業で10万ドルと見積もられている。

4. 中間層が購入できる住宅の建設

昨年8月にシリコンバレー・リーダーシップ・グループのC E Oを引き継いだトーマス氏によると、より手頃な住宅価格、住宅在庫、生活基盤の地域内または職場への移動のしやすさなどが、従業員満足度を測るときに大事な指数になる、と述べている。

5. 簡単に増税させない

最も悲痛な増税の一例として挙げられるのが、2012年に有権者が、個人所得税を10.3%から13.3%へ7年間引き上げることを承認し、さらには2016年にそれを2030年まで引き延ばしたこと。有権者は簡単に増税をさせてはいけない、と元Cisco社の最高責任者だったチェンバー氏は述べている。