米百貨店ニーマン・マーカス、経営破綻【債権者、サックス・フィフス・アヴェニューとの統合を提案】
/2020年5月7日、テキサス州ダラスで1900年代に創業した米高級百貨店ニーマン・マーカス(Neiman Marcus)は、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を裁判所に申請していたことをNBCNEWSが報じた。
新型コロナウイルス(COVID-19)による米大手百貨店の経営破綻は初めてとなる。感染拡大が直撃して、事業が行き詰まったとされ、今後は負債を減らすなどして再建を目指す。
その一方、ニーマン・マーカスの負債の一部を保有するヘッジファンド 「Mudrick Capital Management LP」は、競合同業者である「サックス・フィフス・アヴェニュー(Saks Fifth Avenue)」との統合を提案したとロイター通信が同月13日に報じた。
ニーマン・マーカスは40億ドル(約4,240億円)の債務放棄の見返りとして、返済順位が高い債権者に経営権を譲る計画について債権者と交渉を進めているが、Mudrickは書簡で「サックス・フィフス・アヴェニューへの売却または統合を行うことは、債権者への経営譲渡による再建計画に比べ、債権者がより多くの資金を回収できる」と指摘。
会社更生手続きを経て、ニーマン・マーカスがサックス・フィフス・アヴェニューと重複するエリアにある少なくとも22店舗を閉店して2社が統合することで、28億ドル~47億ドル(約2,999億円~約5,022億円)相当の価値を生み出せるという。サックス・フィフス・アヴェニューは2017年にもニーマン・マーカスの買収を検討したことがあり、今回も関心を示しているが、まだ正式な入札には至っていない。
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