テキサスがAIインフラの新たな中心地に!Stargateプロジェクトの影響
/OpenAIのサム・アルトマンCEO、ソフトバンクの孫正義CEO、オラクルのラリー・エリソン会長が、米国内のAIインフラ強化を目的とした新企業「Stargate」の設立を発表した。ドナルド・トランプ大統領と共にホワイトハウスで会見を行い、StargateがAIの次世代インフラ構築に取り組むと述べた。
Stargateは、AI技術を支えるデータセンターの建設を推進し、プロジェクトの初期投資額は1000億ドル(約15兆円)、今後最大5000億ドル(約75兆円)まで拡大する可能性がある。最初の100万平方フィート(約9万3000平方メートル)規模のデータセンターは、すでにテキサス州で建設が進められており、AIの進化に不可欠なインフラを提供する。さらに、このプロジェクトによって米国内で10万人の雇用創出が見込まれている。
テキサス州がAIインフラの中心に
特にテキサス州は、AIデータセンターの建設に最適な環境を備えている。土地の広さ、電力コストの低さ、そして州政府のビジネスフレンドリーな政策が、企業の投資を引きつけている。ダラス・フォートワース周辺では、すでに複数のハイパースケールデータセンターの建設が進んでおり、Stargateプロジェクトの一環としても、新たなデータセンターが追加される可能性が高い。
また、テキサス州では再生可能エネルギーの活用も進んでおり、風力発電と太陽光発電による電力供給がAIデータセンターの持続可能な運営を支える要素となっている。特に、ダラス周辺では既存の電力網の拡充が進んでおり、AI技術の急成長に対応するインフラ整備が加速している。
AIインフラの重要性と米中競争
AIの発展には大規模なデータセンター、半導体、電力、水資源が不可欠であり、アルトマン氏は「このプロジェクトは時代を代表する最も重要なものになる」と述べた。オラクルは米国最大級のデータセンター事業者であり、ソフトバンクは巨額の資金力を持つ。Stargateでは、ソフトバンクが財務管理を担当し、OpenAIが運営を担う。また、MGXも資金提供に加わり、孫氏がStargateの会長に就任する。
アルトマン氏は以前から、AI分野での米国の優位性を確保するために政府の支援を求めており、中国との競争においてAIインフラの整備が極めて重要であると主張していた。OpenAIは最近発表した政策文書で、米国内のAIインフラ投資が新たな雇用や経済成長を生むと指摘し、「米国がこれらの資金を引き付けなければ、中国主導のプロジェクトに流れる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
オラクルは声明で、「Stargateプロジェクトは米国のAI分野でのリーダーシップを確保し、何十万もの雇用を創出し、世界経済に莫大な利益をもたらす」と述べ、国家安全保障への貢献にも言及した。
テキサスのAIデータセンターと今後の展開
現在、テキサス州はAIインフラの成長を支える重要な拠点となっており、ダラスやオースティン周辺にはマイクロソフト、グーグル、アマゾン、オラクルといった大手テクノロジー企業が相次いでデータセンターを建設している。Stargateのプロジェクトが本格化すれば、テキサス州がAIデータセンターの主要ハブとしての地位を確立する可能性が高い。
一方、新政権が発足すると、米国内投資を促進する大規模プロジェクトが発表されることが多いが、実際に成功するかは未知数である。過去には、2017年にトランプ氏がフォックスコンとともに発表した100億ドル規模のウィスコンシン州工場計画が、実際には規模を縮小し、約1500人の雇用にとどまった例もある。一方で、現在その施設はマイクロソフトのデータセンターとなり、AI活用の研修拠点として活用されている。
また、トランプ氏は1月15日、前政権下で制定されたAIリスク監視・規制に関する大統領令を撤回し、AIインフラ拡大への障壁を取り除く方針を示した。Stargateの設立とこの政策変更により、米国内でのAIインフラ投資は一層加速することが予想される。
このように、Stargateプロジェクトはテキサス州を中心に、米国全体のAIインフラを強化し、経済成長と雇用創出に寄与することが期待されている。ダラス・フォートワース地域をはじめとするテキサス州の都市では、すでにAIデータセンターの建設ラッシュが続いており、今後の展開にさらに注目が集まるだろう。
Source: CNN Business
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