セブン&アイの大胆な一手:新業態と米市場500の新型店舗を展開



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セブン&アイ・ホールディングスは、米国でのコンビニエンスストア事業を強化し、新型の食品中心の店舗を2027年までに500カ所に出店する計画を発表しました。

この動きは、食品を成長の鍵とするカナダの競合企業アリマンタシォン・クシュタール(ACT)に対抗する戦略です。新型店では、サンドイッチやサラダ、弁当など総菜類を強化し、従来の店舗に比べて約30%拡大。さらに、食品や飲料の品揃えを増やすことで、顧客ニーズに応えつつ、企業価値の向上を図ります。

▼新業態「グローサラント」とは?

これらの新型店は、「グローサラント」という新しい業態を採用しており、小売と外食が融合された形で運営されます。店内で調理されるファストフードのレストランも併設され、米国市場における新たな顧客層を開拓します。セブン&アイはこの戦略で、ACTとの競争に立ち向かいながら、米国内でのブランドイメージと市場シェアを高めることを目指しています。



▼全米店舗で食品拡充を加速、市場変動に対応

また、セブン&アイは、新型店の成功を踏まえて、既存の約1900店舗に加えて、2025年初めまでにさらに2500店舗で食品の拡充を推進する計画です。これにより、長期化するインフレや消費者の変化に柔軟に対応し、低所得層を含む幅広い顧客層にアプローチします。食品の鮮度と品質を重視する戦略は、競合に対する防衛策としても機能し、買収の圧力に抗して自立的な成長を目指すセブン&アイの姿勢が窺えます。

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