イーロン・マスク、トランプの効率化取り組みの一環としてロッキード・マーチンのF-35を標的に
/イーロン・マスクは、テスラおよびスペースXのCEOであり、トランプ政権下で新設された政府効率化省の共同リーダーとして活動しています。彼は、特に高額な軍事プロジェクトであるF-35戦闘機プログラムについて、連邦支出の削減を目指し公に批判しています。F-35はテキサス州フォートワースのロッキード・マーチン工場で製造されており、地域経済にとって重要な役割を果たしていますが、マスクはそのコストパフォーマンスが極めて低いと位置づけ、「時代遅れ」とも評しています。
マスクと元共和党大統領候補ヴィヴェク・ラマスワミーは、最低でも2兆ドルの連邦支出削減を目標に掲げ、政府調達プロセスの効率化を通じてコスト削減を推進しています。彼らは具体的に、未承認または意図された用途で使用されていると彼らが考える連邦支出をターゲットにしています。これには議会の承認や広範な審査が必要とされるため、政治的な障壁が存在します。
F-35プログラム自体は、全米50州とプエルトリコ、さらには多くの国際的なパートナーに及ぶ広範囲な供給網を持つ巨大なプロジェクトです。このプログラムは、数十万の雇用を支え、数十億ドルの経済効果を生み出しており、その規模と影響力から、簡単には削減や停止が進められない複雑さを持っています。マスクの提案が現実のものとなるには、多くの政治的、技術的な調整と協議が必要であることは明らかです。
加えて、フォートワースを代表する議員たちはF-35プログラムの重要性を強調しており、マスクの提案に強く反対しています。彼らはこのプロジェクトが地域社会に与える経済的利益と国家安全保障への貢献を前面に押し出し、支持を訴えています。プログラムの削減や終了に対する議論は、議会での承認プロセスを経る必要があり、多くの議員が自身の選挙区に及ぼす影響を考慮して慎重な立場を取るでしょう。
このように、F-35プログラムの削減に向けた議論は、単に経済的または軍事的評価だけでなく、国内外の政治的ダイナミクスをも考慮に入れる必要があります。マスクがいかに影響力を持つ人物であっても、このような大規模で多層的なプロジェクトにおいては、その提案が実現するまでには数多くの障害を乗り越える必要があるのです。
関連記事:
2024年選挙後の経済効果:トランプ氏の勝利がダラス企業に与えた影響Nov 9, 2024
イーロン・マスク、XとSpaceX本社をテキサス州に移転【AUSTIN】Jul 20, 2024