ゼネラルモーターズ(GM)、テキサス州アーリントン工場に5億ドルを投資


ダラスにゼネラルモーターズ(GM)の自動車アッセンブリー工場がある事はご存知でしょうか。GMのアーリントン工場は1954年創業、地域に雇用創出し続けて70年間も稼働しています。アーリントン地域にはダラスCOWBOYSのAT&Tスタジアムや、大谷翔平選手も活躍するテキサスレンジャーズの球場である「GLOBE LIFE FIELD」が有名です。大谷選手は7月が誕生月で前後の月は大活躍中。先日訪問時も多くの方が球場訪問されたことと思います。

今回球場から5分程度の位置にある、アーリントンのGM製造工場のニュースを紹介します。

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GMがテキサス州のアーリントン組立工場に追加で5億ドルの投資を行うと発表し、これにより2013年以降の同工場への総投資額が20億ドルに近づいたことが明らかになりました。アーリントン工場はガソリンとディーゼルエンジンのSUVを生産しており、この追加投資がその継続を支えます。

工場長のジョン・アーバニック氏は、「この投資は現行のスタッフ数を維持する手助けとなる」とし、現在、工場では5,200人以上の従業員がシボレーのタホとサバーバン、GMCのユーコン、キャデラックのエスカレードといった高収益な大型SUVを組み立てています。新たな設備は、工場内の金属スタンピング、ボディショップ、および一般組立エリアに導入される予定です。GMは、2013年以来、同工場を最新の状態に保つために約14億ドルを投じてきました。1954年に建設された広大な施設は、同社の最も収益性の高い車両を生産しており、今年3月には34,000台以上の車両がラインオフし、北テキサス地域での月間生産台数として70年間の記録を更新しました。

GMは2035年までにほぼ完全に電気自動車(EV)企業になるという野心的な目標を掲げており、その実現のために2025年までに350億ドルの投資を行う計画を発表しています。「内燃機関車両は我々の長期ビジョンを実現するために重要な役割を果たします。」とアーバニック氏は語り、アーリントン工場とその製品がそのビジョンの達成において重要な役割を果たすと述べました。

総じて、ゼネラルモーターズのこの発表は、内燃機関の生産を続ける一方で電気自動車への転換を進めていくという、同社の難易度の高いバランス戦略を示しています。新たな投資は生産ラインの最新化と労働者の雇用維持を目指している一方、長期的には完全な電気自動車企業への転換を目指しています。

しかし、この過渡期が容易なものではないことも確かです。内燃機関車両の利益が電気自動車の開発と生産に使われている現在、電気自動車のバッテリーコストの低下と消費者の需要増加が待たれています。同時に、地元コミュニティへの影響や労働者の職務適応も重要な課題となります。これらの課題はゼネラルモーターズだけでなく、全ての自動車メーカーが電気自動車への転換を進める中で直面しているものです。それぞれの企業がどのようにこれらの課題に取り組むかが、その成功の鍵を握ることでしょう。

Source:The Dallas Morning News  

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