20年前、ボーイング社の本社移転が実現しなかった今、ダラスの発展を振り返る

2001年3月21日、ダラス・フォートワースは嬉しいニュースを聞いた。ボーイング社が北テキサスに本社移転を考慮しているというニュースだった。当時、同社はシカゴやデンバーも候補地に挙げていた。新しい本社では当時シアトルの本社で働いていた従業員の半分の500人の雇用を計画していた。

あれから2ヶ月後、ボーイング社はシカゴを本社に選んだ。ダラスのダウンタウンに活気が足りないことが選ばれなかった理由だった、とダラスを拠点とする建築会社GFFの元幹部だったGood氏は説明する。ボーイング社がダラスを本社に選ばなかった二十周年を記念して、ダラスの発展を振り返る。

2000年初期のダウンタウン

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ボーイング社がダラスを考慮している時期は、ダラスにはまだ観光客や住民の目を見張るようなランドマークが存在しなかった。American Airlines Centerは建設中だったし、Art DistrictにはDallas Museum of Art やThe Morton H Meyerson Symphony Centerは存在したものの、Nasher Sculpture Center、AT&T Performing Arts Center、Moody Performance Hallはまだ存在しなかった。ダウンタウンには、Kay Bailey Hutchisonコンベンション・センターは存在したが、オムニホテルはなかった。緑も少なく、Main Street Garden Parkや、Civic Garden、Klyde Warren Parkはまだなかった。

統一したビジョン

ボーイング社がダラスを本社に選ばなかったという事実自体がダラスが大きく変わる理由ではないが、ウェイクアップ・コールにはなった。この3年間で、25人の委員会メンバーはダウンタウン開発に関する5つの即実行計画を含む報告書を提出した。ゆっくりではあるが着実に計画は実行に移されていった。

ボーイング社がダラスを選んでいたらどうなってた?

関係者の答えは、何も今と変わっていなかっただろう。Good氏は、ボーイング社が移転していた場合と比べて数年遅れてしまったかもしれないが、今のダラスの発展に違いはなかっただろう、という。

現在のダラス

ボーイング社の移転は逃したものの、以来ダラスはたくさんの勝利を納めてきた。2007年にはComerica社が本社移転、1年後にはAT&T社がサンアントニオから移転。2017年にはボーイング社の地区の本社に選ばれ、アマゾン社のH Q2の候補地にもあがった。2019年にはUber社がDeep Ellumにオフィス建設を発表した。今年、Integrity Marketing Group社が10万平方フィートの本社建設を発表。 

パンデミック前に40億ドルのプロジェクトがあったが、これらのプロジェクトは現在も動いている。まだまだ開発の余地はあるもののダラスは過去20年間で大きく発展した、と関係者は話している。

参考:ダラス・ビジネス・ジャーナル