CBRE、第一四半期レポート【第1回】

世界最大の事業用不動産サービスおよび投資顧問会社「CBRE」の第一四半期レポートが公開された。

▼予想より早くマルチファミリー市場が安定 

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マルチファミリー市場は予想より早く第1四半期に安定傾向にある。 

全体的な空室率は前四半期から0.2%上昇し4.7%という結果。平均賃料は0.4%上昇した。賃料上昇は2020年第1四半期以降初となる。

2020年第一四半期に比べると平均賃料は4.2%低く、空室率は0.5%上昇しており、依然として市場の低迷は続いている ものの、2021年第1四半期の市場の安定は、第2、第3四半期の回復の基盤となるだろう。
繁忙期となる季節の到来、COVID-19のワクチン接種の拡散、経済の改善、追加財政支援策の実施、在宅からオフィス ワークへの移行等多くの要因が第2、第3四半期の回復を後押しするであろう。
新規建設数は増加を続けているが、今後四半期に予想される市場の需要増加は、新規納入の供給に影響を与えるであろう。
クラスA物件、ゲートウェイ市場、都市のコアサブマーケット等近年弱い部門においても、今後数四半期で市場の成⻑ が見られるであろう。第1四半期においても家賃譲歩の減少など回復の兆しが見られた。 

▼テキサスが新規建設数をリード 

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テキサスの主要都市は2020年第2四半期から 2021年第1四半期の一年間に、新規建設数 54,800戶を完成させ、建設マーケットをリード している。ダラス、フォートワース地区の新規 建設数は21,200戶、ヒューストン16,200戶、 オースティン10,500戶、サンアントニオは 6,900戶であった。これらテキサスの主要都市 の同時期の入居数は40,500戶であった。

新規建設数ランキングの一位は依然として ニューヨークで、 2020年第2四半期から2021年 第1四半期に24,500戶が完成した。しかし、直 近の四半期では建設のスピードが弱まっている。

新規建設マーケットを率いる24の都市うち、在 庫回転率が4%を超えたのはオースティンのみ。 3%を超えた都市はシャーロット、サンアント ニオ、フォートワース、ミネアポリス、ポート ランド、オースティン、ナッシュビル、及びカ ンザスシティの8つの都市であった。これらの 都市は過剰建設のリスクが高くなる可能性がある。 

▼空室率は若干上昇し4.7%に

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全米のマルチファミリー市場の空室率は2021年第1四半期に前四半期比20 bps(0.2%)、前年比50 bps (0.5%)上昇し、4.7%と なった。季節がら毎年第1四半期は新入居数が増えづらいことを考慮すると、悪くない結果である。

3つの理由から次の四半期に空室率が低下すると予想されている。1第2四半期と第3四半期が繁忙期の季節であること2消費を 後押しする雇用状況の継続的な回復3低中所得の賃借人に利益をもたらす財政刺激策。

空室率が最も低かった地域は、南カリフォルニアのインランド・エンパイア (1.8%)、カリフォルニア州ベンチュラ (2.1%)、 プロビデンス (2.2%)、ノーフォーク (2.5%)、サクラメント (2.6%)、ウィスコンシン州マディソン (2.7%)、 ロングアイラン ド (2.8%)、デトロイト (2.9%)、ホノルル (2.9%)であった。