テキサス・レンジャーズ、催眠術捜査を中止
/テキサス州公安局は、これまで物議を醸し出してきた催眠術捜査を中止した、とダラス・モーニング・ニュースが報じた。
同局の報道官によると、より優れた捜査法が確立されたのを理由に今年1月に催眠術捜査プログラムの中止を行なったという。ダラス・モーニング・ニュース紙が睡眠術による捜査の有効性を疑う記事を掲載してから1年足らずでの中止決定。同紙は、催眠術が目撃者の記憶を歪め、誤った有罪判決につながる恐れがあるという科学的な証拠があるにもかかわらず同プログラムを使用し続けてきた、と報道。同記事が今回のプログラム中止決定に影響したのかとの問いに報道官は回答しなかった。
なかでも、催眠術捜査を活用してきたのがテキサス・レンジャーズ。1980年以来、1,700以上のセッションを行ってきたという。最近のケースでは2020年10月の誘拐未遂事件の捜査に使われた。昨年だけで、殺人事件三件を含む合計八件のケースで催眠術捜査が確認されていて、うち、七件で同捜査により新たな情報を得たというが、プログラムが中止になった今、それらの情報を証拠として使えるのかは明らかではない。
テキサスの法律では、催眠術から得た情報を証拠として法廷で使うことが許されている。米国最高裁判所は1月に、催眠術捜査を利用した死刑囚ケースの訴訟を取り上げることを拒否し、各州に催眠術を許可するかどうかの決定を任せた。約半分の州では捜査官や検察官による催眠術を利用した捜査を禁止または大幅に制限していて、テキサスだけが催眠術捜査を公に容認している唯一の州だ。