ケネディ、元アメリカ大統領銃殺事件、治療担当の医師が当時を振り返る
/2020年から遡ること57年前、1963年11月22日に第35代アメリカ大統領「ジョン・F・ケネディ」がテキサス州ダラスのパレード中に銃殺される事件が起きた。
その後、ケネディ氏が運ばれたダラスの病院「Parkland Memorial Hospital(パークランド記念病院)」で起きたことを当時の医療チームJoe Goldstrich氏がインタビューで振り返ったことをMedPageTodayが報じた。
ケネディ元大統領の治療に当たった医療チームの中で最年少だったGoldstrich氏は、ケネディ氏が運ばれてきたときは除細動器を緊急治療室に運び入れるなど、主に雑用をこなした。ケネディ氏は首の下側に小さな傷と右側頭部に大きな傷があり、病院にたどり着いた時点で脈拍または血圧がなく、心停止直後の患者に見られる症状があったため、人工呼吸器に接続した。心臓マッサージを行い、蘇生を試みたが効果はなく、その後に死亡宣告が行われた。
Goldstrich氏は、ケネディ元大統領は到着時すでに死んでいた可能性が高いとコメントしているが、治療に関して後悔があるとすれば「首の傷から気管切開を行って挿管した」こと。Goldstrich氏は、首の傷を見た時に気管切開を行わずにチューブを入れられると思ったものの、先輩の医師に「気管切開をする必要はありません」と伝えられなかったと述べている。
ケネディ氏の銃殺事件の真相は現在でも明らかになっておらず、狙撃は後からだけでなく、前からも行われたという説がある。その事実は、首の傷が大きな手がかりになるはずだったが、傷は気管切開の際に切り開かれ、狙撃された方向を知ることはできなくなってしまった。
その後、1963年11月24日、Goldstrich氏は病院に出勤したが、体調不良のため仮眠をとっており、起床したときにケネディ大統領暗殺事件の犯人として逮捕されたリー・ハーヴェイ・オズワルド氏が銃撃され、病院に搬送されたことを知ったと述べた。