大和ハウスとTCC、ヒューストン南西部で物流施設を着工。2025年夏完成予定【HOUSTON】



トラメル・クロウ・カンパニー(TCC)と日本の大和ハウスが、テキサス州ヒューストン南西部で大規模な産業プロジェクト「ブルーリッジ・コマースセンター」の建設を開始しました。このプロジェクトは、ヒューストン中心部から約34kmに位置し、世界最大の医療研究施設「テキサスメディカルセンター」からも約20kmの距離にあります。この立地の魅力は、主要産業道路への近接性や、空路、陸路、海路のすべてに優れたアクセスを提供することにあります。

「ブルーリッジ・コマースセンター」は、92エーカーの敷地に5棟の平屋建て物流施設を開発する、総延床面積約1.3百万平方フィート(約12.5万平方メートル)の大規模プロジェクトです。建物は153,928平方フィートから431,017平方フィートの規模で、フロントロード、リアロード、クロスドックの構成と、28フィートから36フィートのクリアハイトを備えています。この施設は、ヘルスケア、石油・エネルギー、飲食料品、消費財、製造業、物流業など、多岐にわたるテナント企業の入居を想定しています。

設計はシーバーガー・アーキテクチャが担当し、施工はE.E.リード・コンストラクションが行います。資金は三井住友銀行が提供し、CBREがリースエージェントを務めます。また、Linco Constructionがインフラ整備を担当し、新しい公道や交通信号、地下ユーティリティ、地域の雨水貯留池、歩道の整備が行われます。プロジェクトの完成は2025年夏を予定しており、環境面では全5棟に「LEED Certified」を取得予定で、うち1棟には太陽光発電設備を設置し、脱炭素化を推進します。



大和ハウスにとって、このプロジェクトは米国初の物流施設開発であり、同社はこれを皮切りに、米国およびASEAN地域での事業施設開発を加速させる計画です。ヒューストンは、人口増加に伴うEC需要の拡大や「ヒューストン港」の貨物量増加により、物流施設の需要が高まっており、2024年には空室率が4.5%に低下すると予測されています。この供給不足の状況は、安定した物流施設需要を支えると見込まれ、今後の成長が期待されています。

このプロジェクトは、大和ハウスグループの中期経営計画に基づき、地域密着型で事業を展開し、米国市場でのプレゼンスをさらに強化する一環として位置付けられています。同社は、これまでに米国での賃貸住宅や商業施設事業を展開しており、2024年度には売上高6,511億円を計画しています。今回のプロジェクトは、テキサス州ヒューストンの戦略的な立地を活かし、安定した成長を続ける物流施設開発市場での成功を目指しています。

Source: Rebusiness Online , Daiwa house

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