アメリカン航空、ZeroAviaの水素電動エンジン100基を注文:持続可能な航空へ



フォートワースのアメリカン航空は、クリーン航空技術の革新者であるZeroAviaから地域ジェット機向けの100基の水素電動エンジンを購入する契約を結びました。このエンジンは、飛行中の排出物が冷たい水蒸気のみであり、ゼロエミッションを実現します。

アメリカン航空はZeroAviaへの投資を増やし、昨年発表された1億1600万ドル(約180億円)のシリーズC資金調達ラウンドに参加しました。今回のエンジン購入契約は、両社が2022年に発表した覚書に基づくものです。

Photo by ZeroAvia/American Airlines

2050年までにゼロエミッションを目指す

ZeroAviaは、商業航空機向けに水素電動(燃料電池駆動)エンジンを開発しており、これがほぼゼロの飛行中排出を実現するとしています。現在、20席のプロトタイプ機での飛行試験を行っており、アメリカン航空が特定の地域路線で運航するボンバルディアCRJ700のような大型機向けのエンジン設計も進めています。

アメリカン航空は、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするという積極的な目標を掲げており、今回の投資とエンジン購入の約束はその一環です。同航空会社は、近年、商業航空の歴史の中で最も大規模な機材更新を実施し、米国主要ネットワークキャリアの中で最も若い機材を保有して燃費効率を向上させています。アメリカン航空はまた、持続可能な航空燃料(SAF)の供給契約をInfiniumと締結し、Graphyteの革新的で永久的な炭素除去プロセスの初のお客様となるなど、業界をリードする持続可能性への投資も行っています。



水蒸気のみを排出

アメリカン航空は、ZeroAviaの水素電動エンジンが燃料電池で水素を利用して電力を生成し、それを使用して電動モーターでプロペラを回すと説明しています。飛行中に排出されるのは低温の水蒸気だけであり、低強度の電気システムは大幅なコスト削減の可能性も秘めています。

ZeroAviaはカリフォルニアに設立され、ワシントン州エベレットおよび英国にチームを擁しています。同社はFAAおよびCAAから実験証明書を取得し、3つの異なるテストベッド航空機でエンジンのテストを実施しており、重要な飛行試験のマイルストーンを達成しています。

サステナビリティに取り組むサウスウエスト航空

同じくダラスに拠点を置くディスカウント航空会社サウスウエスト航空は、持続可能な航空燃料(SAF)の取得機会を拡大するため、完全子会社のサウスウエスト航空再生可能ベンチャーズを設立しました。サウスウエスト航空は、2030年までに全体のジェット燃料消費量の10%をSAFで置き換える目標を掲げています。

Source: Dallas Innovates

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